木の家が住む人に優しい理由

足を踏み入れたときに感じる木の家の温かく、爽やかな空気。

木の家の室内は、ほっとくつろげる優しい雰囲気にあふれています。個の快適さはどこからやってくるのでしょうか?

木という素材のもつ特徴から、木の家のよさやその快適さを解説します。

木には「ぬくもり」がある

手で触れたときの感触、ぬくもり、その存在感。それらは木という素材がもつ大きな魅力です。実際に触れてみれば、温かい感じや存在感が指先から伝わってきます。木の家の魅力はまずは木の魅力。木の魅力は手で触れたり足の裏で感じる魅力です。

ところで私たちが気に触れたときに感じる「ぬくもり」とは何でしょうか?

物には熱の伝わりやすさがあって、それを「熱伝導率」といいます。手で触れたときに「冷たく」感じるとか「熱く」感じるというのは、熱を伝える性質、つまり「熱伝導率」が高い物質です。

鉄やアルミなどの金属は「熱伝導率」が高い物質です。それに対して木は「熱伝導率」が低く、熱を伝えにくい性質をもっています。

「熱伝導率」が低い木は温まりにくく冷めにくいので、木が冷たくなりすぎることはありません。周りが凍てつくような環境下でも木に触っても凍傷を起こすことはありませんし、サウナで火傷することもありません。木は熱のやり取りが優しい素材なのです。

この熱の移動の優しさが木の優しさ、つまりは「ぬくもり」なのです。

木の「ぬくもり」をもたらしているもうひとつの理由は、木という素材のもつ柔らかさです。

木はとても柔らかい素材です。

切ったり削ったりするのが容易で、それゆえに生活のあらゆる場所で使われてきました。

その柔らかさが人の体にとても優しいのです。

しかし、木の床は柔らかくいので傷が付きやすい。

傷付くのはいやだ、というわけで、傷が付きにくいコンクリートのような硬いもので床をつくったとしましょう。

コンクリートの床を歩き回ると私たちは途端に足腰を痛めてしまいます。

これはコンクリートが人の体に対して硬すぎるからなのです。

われわれ人間が床に傷が付きやすくてもかまわずに柔らかい気を使ってきたのは、経験から木の床が人に優しいことを知っていたためです。

人が歩き回るときに木の床はわずかにたわんでショックを和らげてくれます。

これが木という素材の優しさです。

この木の柔らかさが、木に「ぬくもり」を感じるもうひとつの要因になっているのです。

実は木の床材にも合板のフローリングと無垢材のフローリングがあります。

合板は表面が傷つきにくい加工がしてありますので、床が傷付くことを嫌われる方には好まれているようです。

ですが合板のフローリングは無垢材のフローリングに比べて熱伝導率が高く「ぬくもり」を感じることができません。

また、合板のフローリングは無垢材のフローリングに比べて硬く体への負担は大きくなります。

もちろん、コストのことも検討しなくてはならないとは思います。

体に優しいという点も考慮して合板のフローリングか無垢材のフローリングを選ぶ必要があると思います。


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